備忘録 as vet.

日々のアイデア、疑問など備忘録的に書きます。Scienceが好きです。

<論文感想>敗血症性ショック患者における中心静脈圧が短期死亡とAKI発症に及ぼすリスクを解析したRetrospective study

敗血症性ショック患者における中心静脈圧(CVP)と28日死亡/AKI発症の関連性を評価したRetrospective study

Xiao, W. et al. Early persistent exposure to high CVP is associated with increased mortality and AKI in septic shock: A retrospective study. Am. J. Emerg. Med. 74, 146–151 (2023).

http://doi: 10.1016/j.ajem.2023.09.043

 

CVPはtime-varying exposureとして扱いtime-weighted averagesを算出して解析に用いている

→TWA-CVP time-varying TWA-CVPをexposureとして

Primary outcome:28日死亡; Secondary outcome:AKI発症 を評価

 

piecewise exponential additive mixed models (PAMMs)を用いて、時間依存性曝露因子であるTWA-CVPのtime-to-event outcomeへの影響を評価:

CVP >12cmH2Oが死亡リスク増加のcut-offと定義=High CVP

 

1)ICU入院中にHighCVP状態に一度でもなったか

2)HighCVP状態にどれくらいの時間曝されていたか の2パターンで曝露状況を定義

 

[results]

・High CVPの曝露時間が>20%(>5h)

・PS matching, IPWで交絡調整を行った場合でもHigh CVPに曝露された場合の28日死亡/AKI発症のHRは有意に高い

・High CVPはCre上昇よりも尿生成量減少を介してAKIリスクを上昇させている

 

 

[感想]

やりたい手法盛りだくさんですごく参考になった、、

・曝露因子を連続変数として平滑化スプラインで表現している点:
今回はpiecewise exponential additive mixed models を使っているみたいだが、知らないモデルなので深掘りしてみようかな
 
・時間依存性変数を扱った解析を行っている:
time-weighted averagesがなんぞやって感じなので要勉強
 
・PSM,IPWの手法で因果推論をした上に、AKIの媒介分析も行っている:
媒介分析は因果のメカニズムを解明する手法として注目していたので個人的にはアツい話題。
 
トップジャーナルの観察研究となると、本当に色々な手法でてんこ盛りに解析するんだなあと関心。
でもここまでたくさん結果があると言いたいことのピントがぼやけそうなので、一層論理とストーリー構成がかなり重要になってくるなとも思った。